Back view of father and kids sitting on wooden dock looking to o
近年、育児に関する研究が進むにつれ、子育てにおける父親の重要度がクローズアップされてきています。母親と父親の育児スタイルは大きく異なり、両方が合わさった「夫婦ペアレンティング(子育て)」が子供の成長にとっては大変重要です。そこで今回は、父親の育児関与が子供に与える好影響について紹介します。

子供のIQや学校の成績が向上

アメリカの児童虐待放置対策室が2006年に行った研究によると、父親が積極的に赤ちゃんの世話をしたり一緒に遊んだ場合、子供のIQ(知能指数)が高くなる傾向が見られ、この影響は子供が10代になるまで続くということです。また、2001年の連邦教育省による調査でも、「父親の育児関与」と「子供の成績」には高い関連性があることがわかっています。

手荒く接することは子供手荒く接にとってプラス

バージニア大学准教授で、結婚や家族を専門に研究しているウィルコックス博士は、父親が子供と遊ぶとき、母親よりも手荒く子供を扱うことが多く、このことは子供が体や感情をコントロールすることを学ぶ上で有益だと述べています。また、父親は母親に比べて、遊びにおいても人生においても子供にリスクを取ることを奨励し、子供が大きな志を持って成長することにつながるそうです。

母親よりもしつけに厳しい父親

ウィルコックス博士によると、一般的に父親の方が母親よりも子供のしつけに厳しいそうです。母親が子供に交渉の余地を与えたり、ルールを曲げることがあるのに比べ、父親のしつけは妥協をせず、決めたルールを子供に徹底させることが特徴だということです。二つの方法に優劣はないものの、子供にとって望ましいのは、両方のスタイルでしつけられることだとウィルコックス博士は述べています。

父親は娘の成長に多大な影響を及ぼす

父親は息子の成長に大きな影響を及ぼすことが知られていますが、娘の成長にも極めて重要なインパクトを与えるとウェイクフォレスト大学の心理学者であるニールセン博士は述べています。特に娘のキャリアに対する野心や強い自己主張、積極性といった、学業や仕事で成功する上で必要な特性を身に付ける上で、父親はより重要な役割を果たすそうです。この理由としてニールセン博士は、ワーキングマザーが増えている今日でも、夫婦の仕事を比較した場合に、父親の仕事の方が交渉力や自己主張、リーダーシップといった要素が求められるケースが多いことを挙げています。

アメリカのイクメン事情

日本ではイクメンという言葉の広まりと共に育児に関与する父親が増えていますが、アメリカでもここ数年、父親が育児に携わる時間が増加しています。アメリカ政府が2006年から2010年にかけて4000人の父親に対して行ったインタビューでは、90%の父親が自身の育児について「よくやっている」と答えています。5歳未満の子供をもつ父親の場合、具体的な子供との関わり合い方は次のような内容になっています:

  • 10人中9人が週に数回は子供の入浴、おむつ替え、トイレの手伝い、着替えの手伝いをしている
  • 10人中9人以上が週に数回は子供と遊んだり食事を共にしている
  • 3人中2人近くが最低でも週に数回は子供に本を読んであげている

アメリカの父親たちの高い自己評価を裏付けるデータも出ています。ワシントンD.C.にあるシンクタンクのピュー研究所が2011年に行った調査によると、アメリカの父親は子育てに週7時間、家事に週10時間を費やしているということです。これは母親の半分の時間に過ぎませんが、1965年には子育てに2.5時間、家事に4時間しか費やしていなかったことに比べると飛躍的な進歩であることがわかります。アメリカでも日本同様に共働き世帯が増え、家族のライフスタイルが変化していることが大きな要因ですが、父親が育児に関与することの重要性が社会に浸透していることも背景にはあると言えます。

母親が阻害要因になることも

父親が子供に関わる度合を母親がコントロールし、時には父親の育児関与の妨げになり得ることが指摘されています。母親アイデンティティが強いほどこのような行動を取ることがあると言われ、母親が育児の「門番」のように振る舞うことから、このような行動を英語では”gatekeeping”と呼びます。前述のニールセン博士は、父と子供が質の高い時間を共有し、理想的な親子関係性を築く上で、父親の意識改革だけでなく、母親の理解や関与がとても重要だと述べています。

まとめ

これまで父親の育児参加の動機として、妻の社会進出をサポートすることに焦点が当たりがちだったと思います。しかし、フィンランドに見られるような理想の夫婦ペアレンティングを実践する上で大切なことは、父親が「妻を手伝う」という意識を超え、子供にとっての父性の重要性を認識し、主体的に育児に向き合うことだと言えるでしょう。

参考元:
AP News: “Dads to diapers and more, myth-busting survey says”

livescience: “The Science of Dad: Engaged Fathers Help Kids Flourish”

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